映画[は]の記事 (1/7)

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『百日草(百日告別)』

●『百日草(百日告別)』
 (監督:林書宇(トム・リン)/出演:林嘉欣(カリーナ・ラム)、石錦航/石頭(シー・チンハン)、柯佳嬿、馬志翔、張書豪、李千娜)

百日告別海報


発生した玉突き事故による大惨事によって最愛の人を失った男女がそれぞれ喪失感とどう向き合っていくか、供養をするか、そして如何にして前に進むかを描いた作品。

一人が失くしたのは妊娠中の妻。
一人が失くしたのは結婚式を控えた婚約者。

中華圏好きな人々にとって大好きな文字である「囍」がこんなにも辛い存在になってしまうとは……。



このふたりの男女が接触するのは法要のために山の上にある寺へ行った際のみ。
しかも誰の法要のために訪れたのかという程度の会話しかしていないのにも関わらず、たったそれだけの短かい出会いでお互いの心情が理解出来てしまうのは同じ境遇だから。
偶然にもふたりは同じような行為や行動をしており、自分の心の整理をしている最中の人達だからこその気持ちの通じ方をしてしまったのです。

起こった事故や葬儀そのものの描写は状況説明の、ごくごく短いシーン程度。
初七日、五七日(死後35日目)、七七日(死後49日目/満中陰・忌明け法要)そして百箇日こと卒哭忌、
つまり最後は泣き叫ぶのを終わりにする日で締めるというのを段階を経て描く構成となっています。
これらは何を意味するか。
法要とは愛すべき人に対しての供養と同時に、残された人々の悲しみとつらさを段階を経て克服し、心の整理をしていく区切りの儀式だということを本作は観客に対し明確に、しかも体感として理解させてしまったのです。

「儀式」として描かれているのは法要だけではなく、ふたつの「傷心旅行」が描かれています。
それぞれ亡き愛する人と寄り添いつつ、自分の心の中を整理するために旅に出るのですが、誰にでも思い当たるであろう「これをこなしてクリアしなければ自分は前に進めない」という思い込みをした行為をふたりともするのです。

例えば美食の旅のはずが前述したような自分に課した目標をクリアするだけとなり、味も何も感じず、まるで砂を噛むような食事をひたすらこなし続け、行った店に★印を付けていく。
ところが、どんなに美味しい料理店だとして絶対に五つ星にはならない。
それは欠けている残りひとつの星は愛する人と一緒でないと絶対に塗りつぶせないものだから。

もはやそういった自分に科した使命により、ひたすら食べ続ける姿は自殺にも似た行為とも受け取ることが出来、程度の差はあれど誰もが似た経験をしたことがあるであろう行動の数々が劇中で積み重なっていく――――。
観客である我々が思わず疑似体験をしてしまう辛さがスクリーンには広がっていたのでした。

愛する人の忘れ形見であるピアノを赤の他人にデリカシー無く触れられ、しかも雑に扱われ、「仲間」という名目の単なる外野でしかない人々に慰めの言葉をかけてもらうも、今の自分にとっては不必要な気遣いはピアノの音と共に酷いノイズにしかならないのです。

そんなピアノの存在が見るのも辛くて部屋の隅に隠してしまい、再び立ち上がって一生懸命になって取り出すというシーンがあるのですが、それは悲しい思いを乗り越え、再起するには並大抵の体力と精神力が必要というのを行動で表しており、素晴らしい比喩を見せてくれたものだ、と心から震えたのですが、このような言葉にはしていない演出が随所に散りばめられている『百日草』。

この映画と共に観る人それぞれが抱えている想いを思い出し噛み締めながら、ずっとずっと心の中で大切に温め続けていく、そんな作品です。
今生の別れは基本的に死となってしまいますが、身近な別れなどでも置き換える事はいくらでも可能なので、本作を観ると、どんな人でも何かしらの想いが生まれるのではないでしょうか。


因みにこの作品を撮った林書宇(トム・リン)監督は3年前に奥様を病気で亡くしています。
つまり本作は監督にとっての心の整理をする為の「儀式」の役割を果たしているのです。

《百日草の花言葉》
「不在の友を思う」 「遠い友を想う」
「別れた友への想い」 「絆」 「幸福」


そして 
「いつまでも変わらぬ心」
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『疾風スプリンター(破風)』

●『破風』
 (監督:林超賢(ダンテ・ラム)/出演:彭于晏(エディ・ポン)、チェ・シウォン、竇驍(ショーン・ドウ)、 王珞丹(ワン・ルオダン)、連凱(アンドリュー・リン)、歐陽娜娜(オーヤン・ナナ)、陳家樂(カルロス・チャン)他

破風海報


《破風》それは《風除け》を意味する言葉。
つまりロードレースに於けるアシストの意味。

台湾南部自転車ロードレースの強豪である炫光車隊(チーム・ラディアント)に所属する男子3人がライバルチームと戦い、台湾各地で連戦を繰り広げて台湾中を廻るロードレースパートなのが前半。

中盤はあれよあれよという間に何故だか恋愛パートにシフトして「ライバル」の意味合いすらも変わってしまう。

そんな恋愛ドラマがどんどん進んでしまい、そちらがメインの話となってしまうが為に、まさかこのままラストまでいってしまうんじゃ……?と不安になるも、更なる「えっ!?」というびっくり展開が怒濤の如く発生。
そこでとんでもない力技を発揮するのですが、いわゆる無茶苦茶な展開ではなく、見事にきちんとロードレースの話に戻し、興奮のラストで締めるという作品。
ネタの特盛り全部盛りに加えて、更に汁だくにしてしまったような映画。
そんな状態なのにも関わらず、ひとつひとつのエピソードがバラバラにならずにどーーーん!と綺麗なエベレスト状態で高くそびえて盛られ、一品として提供されるわけなのですよ。
ダンテの神曲の新章がまた新たなステージに到達してしまったというものです。



ロードレースに関して見事に無知な自分が観ても自転車競技がなんたるかが実況解説により理解出来る仕組みになっている丁寧さなのもとても嬉しい作品。

ロードレースという団体競技でありながら、個々の闘いも同時に描いている為、俯瞰と主観が混在しているような状態を両立させているので、先に書いた特盛り感が余計に増して感じられるのでありました。

しかも台湾中を巡るレースが故に「上から看る台湾」ことドキュメンタリー映画『天空からの招待状』を彷彿とさせる映像美で綴られており、景観の美しさや地形の多種多様性を自転車に乗りつつ楽しめる目線で撮られたカメラ、地面ぎりぎりという低位置撮影カメラ、そして上空から……などと様々な視点から観ることが出来るのはとにかく圧巻。
レース中の撮影も、特にこの台湾パートが試行錯誤していると見え、そこを見るのも面白いのであります。
走行する自転車の背後からカメラ搭載バイクが追跡撮影をしているのですが、中継車と見せかけて、それがしっかりと画面に写り込んだままというシーンなんていうのもあり。
そしてそのバイクで撮られた映像が同時にそのシーンで使われる為に「このカメラで撮影していたのがこの映像なのか!!」と思わず言ってしまう編集、つまりメイキング映像と完成映像を同時に見せられる半ドキュメンタリー映画ともいえるのです。

今回の林超賢(ダンテ・ラム)監督はドラマの中で登場人物らをいじめない代わりに『激戦 ハート・オブ・ファイト』に続き、キャストには長期トレーニングをさせていたのですが、その結果、撮影直前に主要キャストのひとりであった阮經天(イーサン・ルァン)が怪我により降板。
その代わりとして『サンザシの樹の下で』の竇驍(ショーン・ドウ)が急遽登板となったという経緯があったのです。

そう……。並走しながら手を繋ぎ、そこでバトンタッチという最高にキュンキュン♡してしまうシーンが本当なら彭于晏(エディ・ポン)とイーサン・ルァンだったはずなんですよ!!
……とはいうものの、好演したあっさり薄めなルックスのショーン・ドウと大きな子犬であるぽんスケ、といった良い対比が生まれたので、結果的にこれで良かったのです。

男達の友情、男達の特訓、男達の闘い(以下「男達の」は略)ライバル、師弟関係(しかも一部、やけに艶やかにふたりっきりで風呂にて密談をするという謎なシーンまであり)、裏切り、荒ぶり、嫉妬、不正行為……などなど。
BL連続ドラマ1クール分以上の要素が2時間に凝縮されている上にプロとアマの違いによる確執と恋愛が同時にぶっ込まれているのです。
つまりこれだけ男だらけの濃密密着いちゃこらどつき合い……どころかどつき愛があるのですから、この作品に関しては男女の恋愛なんて物は無駄なノイズでしかないのですよ!
いや、キャスティングやスポンサーなどの大人の事情があるのは理解しているつもりなのですが。
とはいえ、よくぞまぁ最終的にここまで交通整理が出来たな、と感心するばかり。

そんな恋愛パートはバッサリとカットし、ほんの一瞬だったのに鼻血を噴いてしまった男達が連なって脚のマッサージをし合うカットを合間合間に入れてくれたら良かったのに!
男だらけのマッサージ版『ムカデ人間』は本当に最高でございました。ごっつあんです!

『パルス』

●『パルス』
 (監督:ジム・ソンゼロ/出演:クリステン・ベル、イアン・サマーハルダー、クリスティナ・ミリアン 他)

どんなにジャパニーズ・ホラーのリメイクをしようとしても根本的に霊に対しての考え方は欧米人には解り得ない部分なので、まずダメだろう、と思っていたら案の定……。
ウェス・クレイヴンといえど、そこは無理だったんだな、と。
オリジナルはホラーという名を借りただけで、実は抽象的な事を延々と語り続けていた物だったのに。
もっと言えばとても大切な部分である、あちらの世から何故、霊共がやって来て人間が消えていくのか?という事すら何も語っていないのは、所詮アメ公には理解出来ていない事なのだと、改めて感じてしまったのだけども。

回路回路
(2007/07/27)
加藤晴彦、役所広司 他

商品詳細を見る

回路 (徳間文庫)回路 (徳間文庫)
(2003/05)
黒沢 清

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『ベオウルフ/呪われし勇者 3D』(※ドルビー3Dデジタルシネマ上映)

●『ベオウルフ/呪われし勇者 3D』(※ドルビー3Dデジタルシネマ上映)
 (監督:ロバート・ゼメキス/出演:レイ・ウィンストン、アンソニー・ホプキンス、アンジェリーナ・ジョリー 他)

『ベオウルフ』はどうしようかなぁ……と悩んでいた所だったのですが、3Dと来たらそりゃ観ねば!!と。
観に行って大正解。
しかも3Dで。
虐殺シーンも立体。
当然、飛び散る血糊も立体。ひゃっほー。
それどころかだらだら大量に垂れるヨダレまで立体。

そして実は初っ端からもう最高のシーンが満載でございまして。
恰幅の良い王様が酒盛りの席で全裸に前と後ろだけ布っ切れで隠している状態なので、3Dで観るといつチラチラとおきゃんたまが見えてしまうのか、という不安と期待で他に目が行かねーなー、と思っていた矢先にいきなりバックショットでおケツのアップ。
コレが終われば後は鎧を着たムサい男達の戦いが始まるか、と安心をしきっていたら……大間違いでした。
私が悪うございました。
タイトルにもなっている主人公のベオウルフが登場して、掴みの部分で言うまでもなく戦うわけですよ、怪物と。
この男、怪物を待つ間、何をし始めたかというと「怪物に武器は効かねぇ」という理論で鎧を脱ぎ始め、全裸で待ち伏せをし始め、戦い始めたんですよ。
怪物相手に大立ち回りをするので、そりゃ当然、気になるじゃないですか。
いつヤツのぷらんぷらんしたモノが画面いっぱいに3Dで観ているこっちに向かって来るのか、と。

……ええ。
テーブルに置かれた花瓶でナニを隠す様なロマンポルノと全く同じ手法がハリウッドのフルCGアニメで活用されておりました。
とはいえ、怪物相手に飛び回って戦うにはその隠し方にも限度があるではないですか。
そうなると作り手側の無駄な主張で何かをやるのでは……という期待で、ベオウルフの股間にしか目が行かなくなり、いつになくというか、ものっすごい久し振りにかなりの集中力及び動体視力フル稼働で映画鑑賞をしたわけですよ。
すると。
こ、こ、こ、この手法は……というか、いきなり全裸になった時点から脳裡をチラチラしていた事だったのですが。
「“丸腰”と言ったら“全裸”」というのがモットーの、私の大好きな平松伸二センセイ手法だったんですよ、完璧に。
正面からでは隠すとしてもどうしようもないという場合でも股間をシャーッ!と影で消すという平松式全裸ごまかし術。
そんなワケで下からのアングルは影で黒くなっていたという事を御報告致します。
という事で、平松センセイのスピリットを受け継ぐものはロバート・ゼメキスだったという事が判明した、素晴らしい2007年の締め括りの映画となりました。
但し、全裸でファックしながらスクワット……などというトレーニングシーンは当然ございませんので、これから観ようという方々はそういう期待はくれぐれもせぬ様に。

基本的には3Dおもしれーっ!! ゼメキス最高ーっ!!という映画だったのですが(※『ゾンビ3D』比較による。私の3D映画の最骨頂は日光江戸村の3D映画。映画の画面作りをもはや無視した立体映像にしか重点をおいていない画作りが最高過ぎの逸品)、とりあえず言っておかねばならない事がひとつ。
どうせCGなのだからジョリ姐のパイオツをたっぷんたっぷん揺らせよ、と。
全裸状態なのに殆ど揺れやしない。
『トゥームレイダー2』でビーチクを立たせたポスターを撮らせてくれたジョリ姐なのだから、そんな事はきっと無問題だったハズなのに!
ま、でもむしろパイオツなんかよりも、おきゃんたまに皆の力が注がれていた気がしてならないので、この映画に関しては許してあげよう。グッジョブ。


久々に映画の感想を書いたと思ったら、こんな内容かよ!とか言わない様に。
本当は『Little DJ』に付いて書く予定だったのだけど、『ベオウルフ』3Dが余りにも最高だったので。

『初雪の恋 ヴァージン・スノー』

●『初雪の恋 ヴァージン・スノー』
 (監督:ハン・サンヒ/出演:イ・ジュンギ、宮崎あおい、塩谷瞬 他)
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『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』

●『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』
 (監督:ゴア・ヴァービンスキー/出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ 他)
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『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』

●『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』
 (監督:ラリー・チャールズ/出演:サシャ・バロン・コーエン、ケン・ダヴィティアン、ルネル 他)
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『Helpless』

●『Helpless』
 (監督:青山真治/出演:浅野忠信、光石研、辻香緒里 他)

『バベル』

●『バベル』
 (監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ/出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル 他)
 .....(SEEN AND TO BE REVIEWED)

『ハンニバル・ライジング』

●『ハンニバル・ライジング』
 (監督:ピーター・ウェーバー/出演:ギャスパー・ウリエル、コン・リー、リス・エヴァンス 他)
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『吼えろ鉄拳』

●『吼えろ鉄拳』
 (監督:鈴木則文/出演:真田広之、志穂美悦子、千葉真一 他)

『ブラックブック』

●『ブラックブック』
 (監督:ポール・ヴァーホーヴェン/出演:カリス・ファン・ハウテン、トム・ホフマン、セバスチャン・コッホ 他)
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『プロジェクトBB 寶貝計劃』

●『プロジェクトBB 寶貝計劃』
 (監督:ベニー・チャン/出演:ジャッキー・チェン、ルイス・クー、マイケル・ホイ 他)
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『ハッピー フィート』

●『ハッピー フィート』
 (監督:ジョージ・ミラー/出演:イライジャ・ウッド、ブリタニー・マーフィ、ヒュー・ジャックマン 他)
 .....(SEEN AND TO BE REVIEWED)

『秒速5センチメートル』

●『秒速5センチメートル』
 (監督:新海誠/出演:水橋研二、近藤好美、尾上綾華 他)
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